辱め

とある地方都市の成金に将来性を見込まれ、金銭支援を受け続けた地下アイドルと、そのプロデューサーでもある彼氏は岐路に立たされていた。好調に見えた地底芸能活動も過去の話。ライブにやってくるのは接触目当ての数名の常連だらけで、今や、個撮だオフ会だと高値で個人から絞りとるしか生き残る道はなくなっていた。伸び悩み、膨らむ借金に頭を抱える二人は、成金にキャスティング権を持つTVプロデューサーを紹介される。暗闇に一筋の明かりが灯った心持ちになったのも束の間、それを吹き消すかのように、デップリと太ったプロデューサーは枕営業を迫ってきた。アイドルとして売れたい女。売ってあげたいプロデューサー彼氏。経験も知識も乏しい若者達は、うまみのあるタラレバ話を信じ込み、その提案を苦渋の決断で受け入れてしまう。そして、その行為は2人が引っ越したばかりの新居での惨劇へと発展する。SNSを開設して、名乗りさえすれば誰もが有名人気取りになれる時代に、セクシーな自撮りだけを期待する大量のフォロワーに勘違いさせられた、芸はないけど若い身体だけはある女の転落劇をカメラが追う。