アドベンチャー

「嵯峨山町の奥にある小高い丘の豪邸。佐賀山家の末裔である嵯峨山多恵子、千代子姉妹の家。いや、性格には多恵子さんの婿養子の屋敷と言うべきか。つい、先日までは。」「義姉さんの震える声が浮かび上がる。……聡さんが……亡くなりました…。告別式が始まろうとしている。兄さんが死んだ。いまになってやっと実感らしきモノが浮かんできた。」死因に謎を残し他界した多恵子の夫、聡。その告別式を訪れた聡の弟である薫、多恵子の幼なじみである俊樹、そして俊樹のクラスメートであり、千代子の家庭教師のみゆき。彼らが一堂に会したところからストーリーは始まる。そして諭しが遺していった“有るモノ”を巡り、嵯峨山家・聡の落とす暗い影に引き寄せられていく薫と俊樹。二人は違った視点で物を見、考える。…彼らを待ち受けるモノ、それは…。